顧客の不当な言動から従業員を守るために
企業が取り組むべき対策
企業としては、自社の属する業界や顧客の特性などを踏まえて、カスハラに対する会社としての基本方針を明確にし、従業員に周知しなければなりません。また、業界や自社で起きた事例などを調査し、対応方法の成功例、失敗例などを精査して、カスハラが発生した場合の対応マニュアルなどを策定しておくことも必要です。
したがって基本方針や対応マニュアル、手順書を策定したら、パート・アルバイトを含めた従業員研修を行い、対応策を共有することが重要です。特に、店長やマネージャーなどは、上司として現場でカスハラ被害を受ける従業員の最初の相談者ともなりますので、自社の基本方針、対応手順等を習得しておく必要があります。
企業は、従業員に対する労働契約法上の安全配慮義務(第5条)があります。したがって、カスハラ対応にあたった従業員のサポートやケアのために社内相談窓口設置し、場合によっては産業医や臨床心理士などの専門家につなげ、適切なケアを受けられるよう体制を整えることも必要でしょう。