お知らせ
男女格差指数で後退
今年も世界経済フォーラムから世界の男女平等度のランキングであるジェンダーギャップ指数が公表されました。
日本の順位は146ヶ国中125位で最低順位を更新し、主要7ヶ国(G7)では最下位です。
同指数は政治・経済・教育・健康の4分野14項目の男女格差を総合して数値化しています。完全な平等が「1」とされ、日本の指数は0.647で世界平均の0.684を下回っています。
同一労働における賃金格差が0.621、推定勤労所得が0.577、管理職的職業従事者の男女比が0.148となっており、政治や経済分野が全体の足を引っ張っています。
社会保険の適用拡大について
令和4年10月からは従業員数101人以上、令和6年10月からは従業員数51人以上の企業において、一定の要件を満たす短時間労働者は社会保険に加入することとなっております。
一定の要件とは以下のすべての要件を満たすことをいいます。
①週の所定労働時間が20時間以上
②月額賃金が8.8万円以上
③2カ月を超える雇用の見込みがある
④学生ではない
社会保険への加入を希望しないため、週の所定労働時間を20時間未満にした場合でも、恒常的に残業するなどして週20時間以上働くことになれば加入する必要があります。
具体的には実際の労働時間が連続する2月において週20時間以上となった場合で、引き続き同様の状態が続いている、または続くことが見込まれる場合は実際の労働時間が週20時間以上となった月の3月目の初日に資格を取得することとなります。
例えば4月15時間、5月20時間、6月20時間で7月以降も20時間となることが見込まれる場合は7月1日が資格の取得日となります。
介護サービス事業所の毎年の報告が義務化
来年度から介護保険サービスを提供する全ての事業所は、毎年財務状況や従事者数などの報告を行うことを義務付けられることになりました。
現在は3年に一回、抽出事業所のみが報告の対象となっていましたが、毎年全事業所を対象とすることでより正確な情報を集め、業務に支障をきたす場合にスムーズな支援を行うことを目的とします。
新型コロナ、5類への移行と企業対応
2類から5類への移行
新型コロナウイルス感染症が、2023年5月8日から「5類感染症」に移行されました。それにより、その対応が法律に基づき行政が様々な要請・関与をしていく仕組みから、個々の選択を尊重し、国民一人ひとりの自主的な取り組みを基本とする方針に転換されています。
新型インフルエンザ等感染症(2類相当)と5類感染症の主な違い(出典:厚生労働省ホームページ)
企業としての対応
企業においては、5類移行に伴う取り扱いの変更を踏まえ、これまでの職場ルールを見直していく必要があります。その一つが「マスクの着用」です。
厚生労働省の事務連絡(2月10日発出、以下事務連絡)では、3月13日から、マスクの着用は個人の判断が基本となり、本人の意思に反してマスクの着用を強いることがないよう配慮することと示されました。ただし、「事業者が感染対策上または事業上の理由等により、利用者または従業員にマスクの着用を求めることは許容される」としています。
したがって、職場においては従業員の意思に反してマスクの着脱を強いるようなことはできませんが、マスク着用が必要とされる場面などを含め、会社として基本的な方針を定めることは差し支えありません。
検温や定期的な手指消毒、従業員のデスク間や会議室等におけるパーテーションの設置を講じてきた職場も多くあります。検温や定期的な手指消毒は継続的に実施する企業も多いでしょうが、パーテーションの撤去、社員同士や取引先との会食や飲み会の解禁などについても見直しが必要になります。
体調不良者への対応
新型コロナに感染した従業員から体調不良で休みの申し出があった場合には、従業員の選択により年次有給休暇の取得または欠勤扱いとすることに問題はありませんが、就業規則の定めに則った対応が必要になります。
また、感染が疑われる体調不良者や、感染者でも症状が軽度で出勤を希望する従業員、濃厚接触者への対応をどうするかを検討する必要もあります。
企業には安全配慮義務があることを踏まえると、体調不良者で感染が疑われる場合や濃厚接触者である場合には、本人の就業希望の有無を問わずテレワークを命ずる、または休業させるなど出社以外の対応の検討も必要になります。なお、5類への移行により就業を禁止するときは、労働基準法に基づき休業手当(平均賃金の6割以上)を支払う必要があります。
令和5年5月勤労統計調査
厚生労働省は毎月勤労統計調査の令和5年5月分の速報結果を公表しました。
現金給与総額は283,868円(2.5%増)となり、うち一般労働者が368,417円(3.0増)、パートタイム労働者が102,303円(3.6%増)となり、パートタイム労働者比率が31.84%(0.65ポイント上昇)となりました。
一般労働者の所定内給与は323,676円(2.2%増)、パートタイム労働者の時間当たり給与は1,269円(2.5%増)となりました。
就業形態計の所定外労働時間は9.7時間(前年同月と同水準)でした。
賃金は上昇しているものの実質賃金はマイナスが続いており、5月も約1%のマイナスとなっております。
最低賃金について
厚生労働省の中央最低賃金審議会は6月30日、今年の最低賃金の引上げ額の目安を決める議論を開始しました。
最低賃金については、昨年は過去最高の引上げ額となりましたが、今年は全国加重 平均 1,000 円を達成することを含めて、公労使三者構成の最低賃金審議会でしっかりと議論を行うとしています。
また、地域間格差に関しては、最低賃金の目安額を示すランク数を4つから3つに見直したところであり、今後とも、地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き上げる等、地域間格差の是正を図るともしています。
物価上昇の中、全国平均で1000円を超えるかが注目されています。
最新の有効求人倍率について
令和5年5月の数値をみると、有効求人倍率(季節調整値)は1.31倍となり、前月を0.01ポイント下回りました。
新規求人倍率(季節調整値)は2.36倍となり、前月を0.13ポイント上回りました。
正社員有効求人倍率(季節調整値)は1.03倍となり、前月と同水準となりました。
5月の有効求人(季節調整値)は前月に比べ0.7%減となり、有効求職者(同)は0.1%増となりました。
5月の新規求人(原数値)は前年同月と比較すると3.8%増となりました。
国民年金の納付状況
厚生労働省の26日の発表によると、2022年度の国民年金保険料の納付率は前年度から2.2ポイント増の76.1%となり、11年連続で上昇しました。各年度の納付期限を過ぎた後、過去2年分までさかのぼって支払うことができる分を含めた最終納付率は80.7%と、初めて80%を超えました。
数年前までは60%台であったことを考えると、納付率はかなり改善されていることがうかがえます。
また、全額免除・猶予者は 606 万人と令和3年度より6万人減少しており、安易な免除者の増加によるものでもないことが分かります。
社会保険の適用拡大
2022年10月に短時間労働者への社会保険適用が常時100人を超える事業所へと適用が拡大され6ヵ月が過ぎました。
2024年10月には常時50人を超える事業所にまで拡大されますので、改めて短時間労働者が被保険者となる要件を確認したいと思います。
①週所定労働時間が20時間以上であること
②報酬の月額が8万8000円以上であること
③雇用期間が2ヵ月を超えて見込まれること
④学生でないこと
上記の中で②の8万8000円の算定が迷うところではないかと思います。
8万8000円の算定は基本給および諸手当で判断することになっていますが、以下の1~4の賃金は算入されないことになっています。
1,臨時に支払われる賃金(結婚手当等)
2,1月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)
3,時間外労働に対して支払われる賃金、休日労働および深夜労働に対して支払われる賃金(割増賃金等)
4,最低賃金において算入しないことを定める賃金(精皆勤手当、通勤手当および家族手当)
3,と4,は8万8000円の算定には含めませんが、被保険者資格取得届や算定基礎届等の届出の際の報酬月額には含めますのでご注意ください。
最低賃金改定
9月も2週目になり全国の地域別最低賃金額が続々と発表されています。
東京都の最低賃金額は昨年と同額の19円アップし、888円から907円になります。
最低賃金は、事業場で働くすべての労働者とその使用者に適用され、常時、臨時、パートタイマー、アルバイト、嘱託等の雇用形態、また、時給者、月給者等の給与形態も関係ありません(一部、最低賃金の減額の特例が認められる場合もあります)。
最低賃金額を計算するにあたり、下記の賃金は算入されません。
・精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
・臨時に支払われる賃金
・1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)
・所定時間外労働、所定休日労働及び深夜労働に対して支払われる賃金(残業手当等)
罰則も定められていますので、「計算してみたら最低賃金額に達していなかった」というようなことのないように注意してください。